ACTION~司法修習生の給費制度維持を!

司法修習給費制を1年間延長する裁判所法改正法が成立しました!


2010年11月26日、司法修習生に対し司法修習期間中に給与を支給する制度(給費制)を2011年10月31日まで延長する「裁判所法の一部を改正する法律」が国会において成立しました。
この法改正のための活動に御協力いただいた市民団体、消費者団体や労働団体による「司法修習生に対する給与の支給継続を求める市民連絡会」や法科大学院生、司法修習生、新人若手弁護士らによる「ビギナーズ・ネット」、困難な国会状況のなかで改正法の成立に並々ならぬ御尽力をいただいた各政党・国会議員の方々に心より感謝いたします。

しかし、まだ、「1年」の延長です。
同法律の成立にあたって、政府及び最高裁判所は、2011年10月31日までに、個々の司法修習終了者の経済的な状況等を勘案した措置の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること、法曹の養成に関する制度の在り方全体について速やかに検討を加え、その結果に基づいて順次必要な措置を講ずることについて格段の配慮をすべきと決議されました(2010年11月24日衆議院法務委員会)。

今後、この決議に基づき、関係機関に対し、内閣の下に検討機関を早期に設置するよう要請するとともに、司法修習生の経済的支援や法曹養成制度の在り方全体について検討を行い、2011年10月31日以降も司法修習生に対する給費制を存続させるため裁判所法の再改正を求めて引き続き運動を継続していきます。

今後ともご理解ご協力を何卒よろしくお願いいたします。

 

■お金がないと法律家になれないの?

これまで法律家の卵である司法修習生が研修する際に支給されていた給与がなくなり、生活費のない修習生には裁判所がお金を貸し付ける「貸与制」に変わろうとしています。
研修期間中とは言え、1年間フルタイムで拘束しアルバイトも禁止されるにも関わらず「無給」とされてしまう。
現状でも修習生の半数は、ロースクール卒業までに平均して300万円台の借金を抱えています。貸与制になれば更に約300万円の借金を重ねることになります。志をもった優秀な若者たちが、家庭の経済的な事情で法律家への夢や道が絶たれてしまうことになりかねません。

 

現状でも司法修習生の半数に「借金」があります
日弁連が実施したアンケート結果によれば、回答者1528名中807名(52.81%)が法科大学院で奨学金を利用したと回答し、そのうち具体的な金額を回答した783名の利用者が貸与を受けた額は、最高で合計1200万円、平均で318万円に上りました。修習費用の貸与制が導入されれば、これに約300万円の債務が上乗せされることになります。

 

貸与制導入の見直しを
2004年の裁判所法「改正」に際し、衆参法務委員会附帯決議は、「経済的事情から法曹への道を断念する事態を招くことのないよう」関係機関が十分に協議をすることを求めていました。多くの修習生が多額の借金を負担していること、法律家を目指す人が減少していることなど、当時は予想していなかったことが、現実に起こってきています。

 

給費制の維持を
裁判官・検察官・弁護士は、対立する立場から互いをチェックし、裁判が適正に行われるようにします。裁判においては、多くの人の権利が絡み合う問題を解決しなければならないからです。単に私利や感情を満足させるのではなく、権利を守り正義を実現しなければなりません。法律家は「権利の守り手」です。給費制によって、すべての法律家の資格は国民の負担において与えられたもの、となります。法律家の仕事の公共性・公益性ゆえに国民が法律家を育てるのであり、給費制は法律家に対し公共心と使命感を求める制度でもあります。

 

私たちは市民団体、労働団体、消費者団体の皆さんとともに、給費制維持を求める運動を進めていきたいと思います。ぜひ、署名活動・賛同にご協力をお願いいたします。

 

- 日弁連HP 司法修習給費生の維持を
- 司法修習生の給費制維持を求める市民連絡会HP

ビギナーズ・ネットHP